齋藤一徳|夢や希望を持てない

齋藤一徳

 

現代人のメンタルが弱い理由の一つとして、夢や希望を持てないのが挙げられます。
夢や希望を持てないということは、つまり自分の将来に具体的にも漠然としても理想そのもの自体が叶わないという消極的な発想になってます。
現代人に、このような思想を植え付けてしまったのは、インターネットの普及も大きな原因の一つといえます。
今やネットで調べてしまえば、求める情報のほとんどを得ることが出来ます。
ネットは現代社会にとって非常に便利なツールになっていますが、同時にネットで調べて出てこない情報の方がむしろ少なくなってしまいました。
調べればわかることが当たり前になった世の中で、何かを始めよう何かを叶えようとした時にそのプロセスや結果を知ることも簡単になってしまい、さも自分が体験したような錯覚に陥ります。
やったこともないものへの好奇心を誰か試した結果を知ることによって、他人の経験値を自分の経験値に置き換えてしまいます。
そうなった場合、夢や希望という叶うかどうかもわからない願望に自分の人生を託すリスクを冷静に考えてしまい、結果的に夢や希望そのものを持たないという判断に至ってしまいます。
新しいことへの挑戦や、まだ誰も試したことがないことへの探究心や興味よりも先に、失敗することへの不安の方が大きくなっています。
現実を見ることは大切なことですが、時には現実を見て見ぬ振りをする必要があるのです。

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